強さと薄さを両立した安心安全な水性塗り床材

(日経アーキテクチュア2021年6月24日発行号掲載内容)

強さと薄さを両立した安心安全な水性塗り床材

薄膜でありながら、高い耐久性を発揮
環境負荷を低減する安心安全な水性塗り床材

多様化するニーズに応える「ルメアコートER」

近年の改修案件では、低臭かつ短工期で施工ができ、長期間使用できる塗り床材の需要が高まっている。そんな現場の声に応えたのがエービーシー商会の「ルメアコートER」だ。水性のため溶剤臭がほとんどなく、施工も短時間。薄膜ながら耐摩耗性にもすぐれるため、施設の長寿命化に貢献する商品だ。

柴田 直樹 氏

エービーシー商会
化成品・無機販売推進部
販売技術支援部
チーフエンジニア

柴田 直樹 氏

現場の声に寄り添う塗り床材のパイオニア

これまで建築・土木業界は、日本の社会の成長、成熟に歩調を合わせて進展してきた。戦後の高度経済成長期に端を発するスクラップアンドビルドの時代から移り変わって、現在では持続可能な社会を目指して改修市場が注目されるようになってきた。環境問題も視野に入れながら既存のインフラ、施設を次代へ引き継ぐための取り組みが業界全体で始まっている。

そんな時代の変遷に寄り添ってきたメーカーがエービーシー商会だ。1959年、当時、活況を呈していた製造業の工場の床を守るべく、日本初(当社調べ)のエポキシ樹脂系塗り床材「ケミクリートE」を開発・発売したのを皮切りに、塗り床材のパイオニア企業として、時代のニーズや現場の問題を解決する様々な商品を生み出してきた。

厚膜型と同等の耐摩耗性を実現 改修に最適な完全水性

2021年4月に発売された薄膜型水性エポキシ樹脂系塗り床材「ルメアコートER」も、「一般的な防塵塗料よりも耐久性の高い水性の商品はないか」という現場の声に応えた商品だ。(図1)

様々な試験などを実施し、品質を徹底的に追求

図1 JIS K 7204 テーバー摩耗試験(摩耗輪CS-17 1,000g 1,000回転)
建材の研究開発、各種試験などを行っているエービーシー建材研究所。
「ルメアコートER」の開発に携わった合成樹脂材料研究室・チーフエンジニアの浅見正宏氏。

「ローラー施工による薄膜型でありながら、厚膜型と同等の高い耐摩耗性があり、施工における周辺環境への負荷を低減できる環境配慮型の水性タイプを目指しました」。このように話すのは、「ルメアコートER」の開発に携わった化成品・無機販売推進部 販売技術支援部 チーフエンジニアの柴田直樹氏だ。

主な用途としては工場や倉庫、配送センターのほか、商業施設のバックヤードなど、負荷がかかりやすい施設の床が想定されている。

従来の溶剤系塗り床材は有機溶剤を使用するため、現場の臭気対策が必須となる。これに対し、完全水性の「ルメアコートER」は臭いがほとんどないことから、近隣への臭気対策や換気作業の負荷が大幅に軽減できる。

また、施工はローラー刷毛で2回塗付するだけなので、工程数の多い厚膜型よりも施工時間は短く済む。時間が限られる改修案件では、施工面におけるこうした特長は大きなメリットだ。

ローラー刷毛で2回塗り 仕上げ厚さ約0.2mm

施工した床の表面はマットな半ツヤ仕上げで、トップコートとしても使用可能。同社のロングセラー商品「ケミクリートE」に対して寄せられていた「ツヤ消しタイプはないか」という要望にも対応できる商品となった。照明の反射を抑制でき、目に優しく作業しやすい落ち着きのある環境づくりにも一役買う。

ニーズに対応するスピードと品質にこだわるすぐれた開発力

低臭、短工期という特長を持つ「ルメアコートER」は、既に数十件の採用実績がある。「溶剤系の臭気が問題で改修に踏み切れなかった施設でも使いやすい塗り床材です。施工性が高いので、規模にもよりますが、週末だけで施工を完了することも可能です」と柴田氏。採用現場からも「予想以上に耐久性が良く、汚れが付きにくい」「はがれにくい」などの評価を得ているという。

現在、社会的な課題となっているSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みとしても、「環境配慮型商品の開発に注力し、改修向けの商品を充実させることで、建物の安心・安全と長寿命化に貢献していきたい」と柴田氏。

また、近年は用途や目的によりフィットした商品が求められる傾向がある。その点、研究所や工場を自社(グループ)で持っている同社は、長年蓄積した豊富なノウハウを生かし、多様化するニーズをいち早く取り入れて製品化する"開発力"と"スピード"が高く評価されている。

さらに、下地材、補修材なども含めたトータルな商品開発の姿勢も同社の特長の1つ。季節を問わず、安定した性能を発揮する品質についても高いレベルで追求している。国内で製造しているため、製造管理が徹底されており、海外製品と比較しても信頼性が高い。

「現在、環境配慮型として厚膜タイプや、耐衝撃性、耐薬品性、耐熱水性に特化した商品も開発中です。お客様の声をしっかりとヒアリングしながら、用途ごとにバリエーションを増やし、水性塗り床材のブランドとして"ルメアコート"のシリーズを確立していきたいですね」(柴田氏)。ラインアップが充実していくことで、さらに床仕上げの選択肢が広がる。適材適所の床づくりが期待できそうだ。

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