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セルフレベリングにより施工を省力化！

セルフレベリングにより施工を省力化！

（日経アーキテクチュア2021年10月28日発行号掲載内容）

速い＋強い＋美しい＝「ラガーハードSL」
セルフレベリングにより施工を省力化！

建設業界では近年、施工技能者の人手不足などが問題となっており、無機系床材においてもコテ押さえができる技能者不足が深刻だ。さらに、増加する改修案件にも施工の省力化が求められている。「ラガーハードSL」は今、業界のニーズに貢献する新商品だ。

この記事の読了時間：約3分

施工手間を削減しながら精度向上とコストダウンを実現
強靭さに加え美観にも配慮ロングライフな床づくりを提供

エービーシー商会の無機系硬質床材といえば、1954年の発売以来、長きにわたって日本の工場や倉庫に使われてきたロングセラー商品だ。東京・大田市場において30年以上安定した高い耐久性が評価され、2018年開業の豊洲市場にも採用されている。また、ハードな使用にも長期間、床の性能を保つことから、配送センターや駐車場、飛行機格納庫に至るまで多くの採用実績がある。「一度施工したら20年から30年以上、ロングライフな床を実現します」と、化成品・無機販売推進部の徳山妥氏は話す。70年以上供給を続けてきたメーカーならではの実績と信頼は業界でもトップクラスだ。

一方で、これらの無機系床仕上材は、要求性能や周辺環境、施工条件などによって仕上がり具合が左右されるため、高品質な施工を行うには、豊富な経験と見識、高水準の技術が必要だ。

しかし、近年、建設業界では施工技能者の高齢化、人手不足の傾向が続いており、大きな課題となっている。また、時代の変化に伴い、改修市場も拡大しており、シビアな納期や施工条件を求められる案件も増えてきた。そうした現場における課題に対処するため、誰でも一定の品質でスピーディーに施工できる商品へのニーズは、年々高まるばかりだ。

施工手間を削減しながら精度向上とコストダウンを実現

そこで、施工の省力化に貢献する無機系床仕上材として同社が2021年7月に発売したのが「ラガーハードSL」だ。硬化したコンクリートに塗り付ける工法なので、新築はもとより需要の増えている改修案件にも対応する。

最大の特長は、優れたセルフレベリング性だ。およそ5mm厚でありながら、軽く均すだけでコテ押さえが不要な流し延べタイプの無機系床仕上材は斬新だ。

軽く均すだけでOK！効率よく施工できるセルフレベリング性

コテ押さえが不要なため、従来の無機系床材と比較して施工が容易。工期短縮と施工費の軽減に繋がる。

以前と比べて施工が省力化され、精度面でも技能者の技量に左右されにくい。さらに、広い面積を効率よく施工できるため、1m²あたりの施工費のコストダウンにもつながる。

「従来製品では、塗布後2～3時間おきに3～5回コテで押さえこむ必要がありました。そうした手間が不要となるので、技能者にとっては現場に拘束される時間が短くなるというメリットもあります」と、同・技術担当の棟方大輔氏は話す。

また、従来は施工後1週間程度の養生期間が必要だったが、「ラガーハードSL」は速硬性があり、施工翌日には車両が走行できる。工場や倉庫を稼働させながら、部分的に施工を進めていくという改修計画も可能だ。

その上、無機系の製品なので有害な臭気の心配もない。地下など換気の難しい場所での施工も安心だ。

強靭さに加え美観にも配慮ロングライフな床づくりを提供

施工だけでなく、同社が重視しているのは、耐久性、耐摩耗性、耐衝撃性など「強さ」に関する性能だ。特にここ数年は工場の重機が大型化しており、床に求められる耐久性のハードルが高くなっている。「ラガーハードSL」は、衝撃による変形にも追従する適度な弾性があり、重量物の荷重や落下に対して欠けにくい。強靭さに加え、耐摩耗性はコンクリートの約10倍（図1）。車両や台車などの頻繁な走行にもすり減りにくく、有害な粉塵の発生を防ぐ。

さらに標準仕様となったトップコートは、油や溶剤に強く、タイヤ痕などの汚れが付きにくいため、美観を保つ効果がある。また、用途に合わせて色を使い分けることができるカラーバリエーションも用意されている。「最近は、工場などの作業環境をイメージアップするためにも、意匠面にこだわるお客様が増えています」と棟方氏。

床の性能を長期間維持する「強さ」に加え、作業効率や美観など多様なニーズにも対応した「ラガーハードSL」。施工性が高く、改修市場で活躍するのはもちろん、業界が抱える施工技能者の人手不足といった課題解決の一助となる商品といえそうだ。