成長企業にふさわしい新設の工場
「魅せる空間」づくりをABCの建材が実現

従業員が集う研究開発室は木目調ルーバーで心地良さを演出

工場増設の狙いの1つは、次代を見据えた生産性や快適性を高める労働環境の整備だ。

代表取締役社長の梅田晶久氏は当時の経営判断をこう振り返る。

「従業員の働きのおかげで新しい工場に設備投資できるだけの経営規模を手に入れられました。その働きに報いようと、姫路工場を新設し環境の改善に乗り出したのです」。

その象徴は、増設部分３階に置く研究開発室である。昼食時や午前・午後の休憩時のほか社内会議にも用いる多目的な空間だ。天井にはエービーシー商会の片流れルーバー「インターライン木目」を用いた。軽快なデザイン張りと温もりのある木目調により、空間全体に居心地の良さを醸し出し、集中力を必要とする開発業務も快適に取り組めるように配慮されている（写真2）。

工場増設のもう1つの狙いは、効率性や安定性の高い作業環境の整備である。これには、作業場の床材が大きな役割を果たす。

「作業場では1tを超える重さの製品をクレーンで頻繁に積み下ろしします。床が脆弱な造りだと、表面が削れたり傷付いたりするため、ゆがみや粉塵によって製品に影響が及びかねない。また補修中はそこを使用できなくなり、作業効率が落ちてしまいます」。

８年間、削れや傷付きなし、既設部分と同じ床材採用

床材の重要性は姫路工場の新設時点から認識していたため、作業場の床には耐摩耗性や耐衝撃性に優れる合成樹脂系塗り床材「タフクリートFL」を採用していた。「その後８年間、製品を積み下ろししていたものの、床の表面が削れたり傷付いたりしたことが全くなかったので、増設段階でも同じ床材の採用を決めました（写真1）」。

「タフクリートFL」の強さは、床材そのものの強さだけでなく、エービーシー商会独自のアフターフォロー体制で補完されている。定期点検・診断や適切なメンテナンスなどアフターフォローの手順をシステム化し、施工販売店と共に塗り床を常に最適な状態に保てるように顧客をサポート。良好な関係を築いてきたからこそと言える。

また塗り床材において、想定通りの性能を発揮させるには一定の施工品質が求められる。作業場でとりわけ重要なのは、平滑性の確保だ。ゆがみが生じた製品は、納品先で設置する際に支障を来すことになる。

エービーシー商会の仕様は通常より厳しい基準が設けられているが、さらにより高い品質を求め施工管理の徹底を図り、精度の高い平滑な床を実現した。

このほか、エキスパンションジョイントカバー「アーキパンションSシリーズ」（写真3）や厨房用長尺シート床材「アルトロセーフティーフロア」（写真4）など、機能性に優れた商品が採用された。同社の幅広い商品群が、梅田氏が思う労働環境や作業環境への実現に一役買った。

美しさが顧客の安心感呼び、ショールームの役割果たす

工場には20～40代の若年・中堅層を意識的に集約し、工場運営を任せる。「ここをショールームと位置付け、建物内部はもちろん、敷地周辺まで、全員で清掃活動に取り組んでいます」と梅田氏は笑顔を見せる。

「きれいな工場はそこで製造される製品の品質に対する安心感につながります。お客様から『これなら安心して発注できる』というお言葉をいただいています」。

整理整頓が徹底された作業場の美しさは、従業員の努力の賜物だ。

その基礎になるのが、重量のある製品を積み下ろししても削れたり傷付いたりすることのない「タフクリートFL」をはじめとした次世代にも受け継ぐクオリティの高い建材の数々だ。

発注者だけでなく、さらにその顧客からの信頼をも一段と高める。エービーシー商会の建材は、その大役も同時に果たす。