さびや塩害を招かず、身近な環境にも優しい!
「融雪」だけじゃない、「トーカスSi」の底力

配合の確立へ、100通り以上を試す
何しろ競合にあたる塩化物系の原材料は工業製品の副産物を利用したもの。原材料そのもののコストはゼロに等しい。さすがに同程度の水準は無理としても、性能とのバランスに留意しながら、コストを抑えなければ市場ではとうてい戦えない。
原材料を絞り込む段階では、融雪剤として水の凝固点をマイナス10℃まで下げることができるか、という点をまず評価した。「マイナス10℃という目標は、工業総合研究センターから示されたものです。聞いたところによると、氷の表層が0℃からマイナス10℃までの間が、最も滑りやすい温度だそうです」。
浅井氏はこうして、十数種類の食品添加物を5種類まで絞り込んだ。次は、それらを混ぜ合わせ、コスト面でも性能面でも最も優れた配合割合を導き出す段階である。「ここはもう手当たり次第ですよ。100通り以上の組み合わせを試しましたね」。
配合割合を確立し、いよいよ製品の発表へ、という段階では、融雪の効果を目の当たりにする機会も得た。場所は青森空港の周回道路、時期は積雪のある2月。除雪後、道路の一部に「トーカスSi」を散布し、残りは何も散布しない状態で、朝4時から10時まで道路上を見守った。浅井氏は当時を思い起こす。「融けてくれ、お願いします――。そんな気持ちで見つめていると、『トーカスSi』を散布した路面は薄氷がどんどん融けていくのが分かるんです。その差はもう、明らかでしたね」。

エービーシー建材研究所では、各種の性能試験も実施している。
例えば金属に与える影響。塩化物系の一つである塩化ナトリウム水溶液では一定の腐食度が見られたのに対し、「トーカスSi」は腐食度ゼロだった。防さび試験でも、塩化物系の一つである塩化カルシウムを塗布した金属板には4時間後にさびの発生が見られたのに対し、「トーカスSi」を塗布した金属板には同じ4時間が経過してもさびの発生は見られなかった。また日本産業規格(JIS)に定められた試験方法を基に融雪剤に使用される化学物質ごとに「COD」を算出すると、「トーカスSi」はゼロ。「地球環境に優しい」という条件を満たすために食品添加物を利用する発想は間違っていなかったのである。
防サビ試験(4時間放置後の状態)

性能試験
JIS K 0102 工場排水試験方法17項、100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量(CODMn)試験結果
融雪に使用される化学物質 | COD(mg/L) |
---|---|
トーカスSi | 0.0 |
50%酢酸 Na・3水和物 | 47.4 |
50%酢酸 K | 90.2 |
25%酢酸 Ca | 29.9 |
50%蟻酸 Na | 222.4 |
50%蟻酸 K | 248.4 |
40%塩化 Ca | 78.8 |
25%塩化 Na | 77.0 |
●試験値は他の融雪材料ではありません。
試験機関:(株)エービーシー建材研究所
環境省「生活環境の保全に関する環境基準(海域)」
利用目的の適応性 | 化学的 酸素要求量 (COD)基準値 |
|
A 水産1級 |
水浴自然環境保全及び B以下の欄に掲げるもの |
2mg/L 以下 |
A 水産2級 |
工業用水及びCの欄に 掲げるもの |
3mg/L 以下 |
C | 環境保全 | 8mg/L以下 |
融雪剤選びはいま、新しい局面を迎えている。社会インフラの長寿命化が求められ、生物多様性の保全が社会課題として改めて注目される時代。コンクリートや金属の劣化防止や身近な環境への影響抑制という機能にもきちんと目を向ける必要がある。
「融雪」の役目は果たしながらも周囲の「環境」に影響を与えない――。そこに、「トーカスSi」の底力がある。
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- 非塩素系で環境にやさしく持続効果が長い融雪剤(融氷剤)