さびや塩害を招かず、身近な環境にも優しい!
「融雪」だけじゃない、「トーカスSi」の底力

さびや塩害を招かず、身近な環境にも優しい!「融雪」だけじゃない、トーカスSi」の底力

食品添加物で環境への優しさ実現

 主要原材料は、人間が口にする食品添加物。塩化物系のようにコンクリートや金属の劣化を招く性質は認められない。しかもそこには、エービーシー商会で製品化しているコンクリート表面強化材をヒントに、コンクリート劣化抑制の機能も加えた。結果、pH値はアルカリ性に傾く。pH値の低い酸性ほどさびやすく、pH値の高いアルカリ性ほどさびにくい、と言われるだけに、さび防止をますます期待できる。さらに食品添加物であるからには、身近な環境への影響も少なさそうだ。一般的な融雪剤では弱点と言えそうな点を原材料の目利きと持ち前の技術力で補った付加価値型の製品なのである。

 開発に乗り出したきっかけは、青森県の公設試験研究機関である工業総合研究センターから共同開発の話を持ち掛けられたことにある。

 「工業総合研究センターからは、『液状で即効性があり、地球環境に優しい融雪剤を開発したい』と要請されました。塩化物系だけでは弊害もあるという理由から、併用を念頭に置き、系統の異なる融雪剤の開発に取り組んでいたようです」

 話を受け入れ、共同開発を決めたエービーシー商会側でまず考えたのがまさに、融雪剤に付加価値を与えること。「塩化物系の融雪剤にはコンクリートや金属の劣化促進という弱点が指摘されるようになっていました。それだけに、劣化防止という付加価値を与えられれば、インパクトが大きいですからね」と、浅井氏は笑顔を見せる。

 しかし、エービーシー建材研究所で融雪剤の開発は初めて。社内に知見はない。何をどう配合し、その結果をどう評価するか。担当者自らが決めなければならない。

 浅井氏は融雪剤のことを知ろうと、氷の上に既存の融雪剤を散布し、どれだけ融けたかを1時間ごとに測定する、ということから始めた。融雪剤として水の凝固点を下げるとはどういうことか――。自らの実験で、まずそこから知見を得ようとした。

 一方で、「地球環境に優しい」という条件を踏まえ、主要原材料には食品添加物を用いることを思いついた。「口に入れても問題ないわけだから、それを使うのが一番ではないか、と考えました」と浅井氏。コストを抑える必要から、ありふれたものに絞って、まず十数種類の添加物を候補として選定したという。

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  • 融雪剤(融氷剤)トーカスSi リーフ
    滑走路用に開発された塩化物を一切含まない融雪(氷)剤です。無塩のため、自然環境にやさしく、金属への影響もありません。発行年月:2022年12月

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