施設別 騒音シミュレーション
系統用蓄電池
系統用蓄電池が必要とされるわけ
昨今、脱炭素社会に向けて太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー施設が増加しています。ただ、電力の生産能力が増え続けたことにより、需要の少ない時期に供給過多になってしまうため、電力会社により出力制御が行われることがあります。地域によって異なりますが、出力制御を行なわなくてはならない状況は年々増えています。
出力制御を行なう際、出力しない電力を貯めておく施設/設備が必要になります。
2022年の電気事業法の改正により送電線や太陽光発電システムから直接、蓄電池に一時的に貯めておく大型の系統用蓄電池を使用した事業を発電事業と位置付けたことから、蓄電設備として、それらを使用した蓄電所が増えてきています。
系統用蓄電池から出る音
電気事業法の改定と併せて、消防法上の見直しも行なわれたことにより、蓄電池をコンテナに収納した大規模な系統用蓄電池を置く施設が多く計画されるようになってきました。
多くの蓄電池をコンテナ内に収納することで一つのユニットに貯められる電力は増えますが、蓄電の際にバッテリーから熱が発生します。
その熱がコンテナ内に溜まるのを防ぐため、空調設備が取り付けられるものもあります。
蓄電池自体からは大きな音はでませんが、空調設備も大型化又は複数化した場合、そのファンから音が発生するようになってしまいます。大きいものだと100dB/コンテナ (一般的に、電車が通る際のガード下の音程度)ほどになります。
今まではパワーコンディショナー(※)からの騒音に対して対策を講じることはありました。しかし、最近では蓄電池の大型化により、蓄電池も含めた防音対策をするケースが増えてきています。特に周囲に住宅等がある場合、住民の方々に考慮した騒音対策が必要になります。
※パワーコンディショナー:電力の変換や制御を行なう装置
防音壁での騒音シミュレーション例
蓄電池から出る音の周囲への広がりを軽減するため、防音壁での対策があります。
大規模な蓄電所と小規模な蓄電所を想定した騒音対策をシミュレーションを用いて紹介していきます。
本シミュレーションでは、防音壁「e-WOOL(イーウール)防音パネルシリーズ」を使用しています。
設置施設で必要とされる防音性能に応じて、4種類のパネルから最適な商品をご提案します。
■大規模
<シミュレーション条件>
・防音壁設置面 |
外側 |
---|---|
・防音壁設置高さ |
6.0m (FL+0.3mから) |
・騒音源 |
蓄電池【100dB/台×60台】 パワーコンディショナー【90dB/台×60台】 |
・受音点 |
高さ1.5m(人の聞きうる高さ) |
防音壁高さ:6.0m(FL+0.3mから)
シミュレーション結果
受音点の位置 | 未設置 |
---|---|
上 | 76.9db |
右 | 75.1db |
下 | 76.1db |
左 | 75.0db |
受音点の位置 | 設置 |
---|---|
上 | 64.7db(-12.2) |
右 | 63.8db(-11.3) |
下 | 64.3db(-11.8) |
左 | 63.8db(-11.2) |
(受音点の位置は平面図を正面から見ての位置)
大規模になると、蓄電池置場の真ん中の方の音は防音壁の影響を受けずに音が広がるため、6m程度の高さで囲っても、外側だけの設置では想定よりも減音できない場合もあります。
これは回折音と呼ばれる防音壁の周りから回り込む音の影響が大きく、この場合は防音壁の遮音性能を上げるより、防音壁の設置場所や高さを変更することで効果が出ることがあります。
上記のような場合、内側などにも追加で設置し、音の通り道を遮るなど、設置場所の状況に応じて追加で対策をすることで、更に防音効果が出る可能性があります。
■小規模
<シミュレーション条件>
・防音壁設置面 |
外側 |
---|---|
・防音壁設置高さ |
3.5m (FL+0.3mから) |
・騒音源 |
蓄電池【75dB/台×6台】 パワーコンディショナー【85dB/台×2台】 |
・受音点 |
高さ1.5m(人の聞きうる高さ) |
防音壁高さ:3.5m(FL+0.3mから)
シミュレーション結果
受音点の位置 | 未設置 |
---|---|
上 | 64.8db |
右 | 61.4db |
下 | 61.2db |
左 | 61.3db |
受音点の位置 | 設置 |
---|---|
上 | 45.1db(-19.7) |
右 | 42.9db(-18.5) |
下 | 43.0db(-18.2) |
左 | 42.8db(-18.5) |
(受音点の位置は平面図を正面から見ての位置)
小規模の蓄電所でしたら、騒音源となる箇所が少なく、防音壁も騒音源の近くに設置できます。
敷地の外周に設置することで、十分に効果を発揮できます。
このように蓄電所の規模により設置の方法や検討することが変わってきます。
シミュレーションを無料で承ります!ご相談ください。
上記のシミュレーションは系統用蓄電池での設置イメージ例です。
同じ騒音量の機器が同じ台数設置されても設置個所や高さなどの条件により結果は異なります。
当社では「e-WOOL(イーウール) 防音パネル」設置後のシミュレーションを無料で承っています。
専門スタッフがご相談に応じます。お気軽にお問合せください。
商品の詳細を見る
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- 生活環境のあらゆる騒音源に対応する、高性能防音壁シリーズ。
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- 複合防音下地材を使用した防音壁。軽量で施工性も抜群。
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