施設別 騒音シミュレーション

物流施設

施設別 騒音シミュレーション

近年、コロナ禍の影響もあり、電子商取引(EC)市場の規模が拡大しており、商品を在庫している物流施設の建設も増加傾向にあります。
地球温暖化の影響で夏場の気温が上昇しているなか、工場や作業場の労働環境改善のためには空調機器の設置は必要不可欠です。
また、食料品を取り扱う物流施設においては、冷蔵・冷凍食品の安全性を保つため、温度管理に使用する空調機器の設置も増えています。
これらの空調機器や冷却塔、また非常用を含めた発電機などの騒音対策として、防音壁の検討が必要です。

物流施設における代表的な騒音発生源は以下の3つです。
それぞれの発生源で人が地上に立っていることを見越した高さ1.5mと、隣に高い建物があることを想定した室外機と同高さ6.0mの2点で騒音シミュレーションを行ないました。

1.屋上の空調機器

屋上の空調機器

2F以上の上階に設備機器置場を設けたケースです。
設備機器置場でない部分は建物や屋根になっていることが多いため、この場合はL字に2面の防音壁設置を検討されることが多いです。

<シミュレーション条件>

・防音壁設置面

2面L字に設置

・防音壁設置高さ

4.0m(FL+0.4mから)

・建物高さ

8m(2F建て)

・機器置場

2F

・騒音源

80dB/台×9台

・受音点①

高さ1.5m(人の聞きうる高さ)

・受音点②

高さ6m(隣に高い建物がある場合=空調機器同高さ)

受音点①:高さ1.5m

●防音壁未設置【平面図】

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点A:50.0dB
点B:49.9dB

●防音壁設置【平面図】

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点A:48.1dB(-1.9dB
点B:46.4dB(-3.5dB

受音点②:高さ6m

●防音壁未設置【平面図】

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点A:55.2dB
点B:52.8dB

●防音壁設置【平面図】

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点A:47.9dB(-7.3dB
点B:45.0dB(-7.8dB

●防音壁未設置(点A)【垂直断面図】

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●防音壁設置(点A)【垂直断面図】

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高さ1.5mと6.0mの受音点の両方で一定の効果が得られました。

しかし、高さ1.5mの受音点では6.0mのケースと比較して効果が小さい結果となりました。

より防音効果を高めるには・・・

●基礎間が空いている場合
【垂直断面図】

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●基礎間の隙間が無い場合
【垂直断面図】

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2F床と防音壁の間から音が漏れており、その音が下に流れていることが垂直断面で確認できます。
この箇所に防音処理を施すことで、受音点位置での騒音量を下げることができる場合があります。

2.トラックヤード庇上の空調機器

トラックヤード庇上の空調機器

トラックヤード上の庇上部に空調機器などを置いたケースです。
トラックヤードは敷地境界線から一定の距離がありますが、多数の空調機器を設置する場合には、防音措置の検討が必要になる場合があります。
このような場合、建物正面だけを考慮する場合は、正面のみに直線設置、全体の騒音を考慮する場合は3面設置により騒音対策を行なう場合が多いです。
今回は3面設置の場合のシミュレーションをご紹介します。

<シミュレーション条件>

・防音壁設置面

3面設置

・防音壁設置高さ

4.0m(FL+0.4mから)

・建物高さ

8m(2F建て)

・機器置場

庇(2F部分)

・騒音源

80dB/台×9台

・受音点①

高さ1.5m(人の聞きうる高さ)

・受音点②

高さ6m(隣に高い建物がある場合=空調機器同高さ)

受音点①:高さ1.5m

●防音壁未設置【平面図】

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点A:53.7dB
点B:44.9dB

●防音壁設置【平面図】

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点A:44.7dB(-9.0dB
点B:39.2dB(-5.7dB

受音点②:高さ6m

●防音壁未設置【平面図】

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点A:54.3dB
点B:49.4dB

●防音壁設置【平面図】

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点A:45.9dB(-8.4dB
点B:43.7dB(-5.7dB

●防音壁未設置(点A)【垂直断面図】

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●防音壁設置(点A)【垂直断面図】

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この場合、「 1.屋上の空調機器」のケースと異なり、防音壁下に空隙がなく、下からの音抜けがないため、高さ1.5mと6.0mの受音点の両方で一定の効果が得られました。
更なる効果を求める場合、防音壁の高さを上げることが有効である可能性があります。そうすることで、防音壁の上から音が流れ込むのを防ぎ、より効果的な騒音軽減が期待できます。

3.1F建物周りの空調機器

1F建物周りの空調機器

地上の建物付近に設置するケースです。
設置の台数が少ない場合にこのような場所に設置されることが多いです。
建物側面に設置されることが多いため、他の箇所への設置に比べ、敷地境界線までの距離が近い場合があります。

<シミュレーション条件>

・防音壁設置面

3面設置

・防音壁設置高さ

4.0m(GL+0.2mから)

・建物高さ

8m(2F建て)

・機器置場

地上

・騒音源

80dB/台×9台

・受音点①

高さ1.5m(人の聞きうる高さ)

・受音点②

高さ6m(隣に高い建物がある場合=空調機器同高さ)

受音点①:高さ1.5m

●防音壁未設置【平面図】

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点A:59.2dB
点B:61.0dB

●防音壁設置【平面図】

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点A:51.7dB(-7.5dB
点B:53.3dB(-7.7dB

受音点②:高さ6m

●防音壁未設置【平面図】

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点A:59.2dB
点B:60.0dB

●防音壁設置【平面図】

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点A:52.1dB(-7.2dB
点B:56.7dB(-3.3dB

●防音壁未設置(点A)【垂直断面図】

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●防音壁設置(点A)【垂直断面図】

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騒音源の台数は少ないですが敷地境界線が近いため、十分な減音が実現されていませんでした。また、騒音源の直後に壁があることで、反射音の影響も考えられます。
このようなケースで、騒音源を境界線から離れた位置に移設することが難しい場合は、防音壁の高さを上げるか、騒音源自体に消音機を取り付ける、あるいは空調機器を屋上などに移動させるかなどの対策を検討する必要があります。

シミュレーションを無料で承ります!ご相談ください。

以上、物流施設で多く見られる設置方法の一例でした。
同じ騒音量の機器が同じ台数設置されても設置個所や高さなどの条件により結果は異なります。

当社では「e-WOOL(イーウール) 防音パネル」設置後のシミュレーションを無料で承っています。
専門スタッフがご相談に応じます。お気軽にお問合せください。

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