厨房・食品工場に最適な建材は?

現在は健康ブーム、さらに安全な食品への志向も高まっています。 そこで今回は食品工場や厨房施設の床について触れてみたいと思います。

 

食品工場向け建材にもとめられる条件

一般工場などとは大きく異なった条件が様々にあるのが食品工場です。
○食品に対して臭い移りさせたくない。
○頻繁に熱湯を流すので、耐熱性が必要だ。
○生産ラインを止めないで改修したい。
以前から、ABC商会では上記のような要求にお答えしてきました。

今回は、食品工場床に要求される条件を抽出して、それらを満足させながら衛生的な食品工場向け建材をご紹介したいと思います。

 

HACCP

現在の食品工場を管理する上で、欠かせないのがHACCPという手法です。

HACCPとは1960年代にアメリカで宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の品質管理の手法。 HA(危害分析)とCCP(重要管理点監視)の2つから成り立っていて、食品の安全性・品質を確保する為、食品に関わる危害を確認し、排除する手段と定義されています。

本来は微生物制御を目的として開発された管理方式で、従来行なわれてきた最終製品の抜き打ち検査に依存する管理方式ではなく、原材料の調達段階から最終製品の出荷に至るまでの「食品の生産、加工、保管、流通、販売」の各段階における危害発生の制御手段に焦点をあわせた管理方式です。

そのため特別な装置や設備は必要なく、日常の管理から危害の発生を未然に防ぐ事を目標に置いています。

衛生管理の対象

場所 施設・設備の衛生維持・管理
食品(原材料・添加物ほか)、製造工程、保管、流通
従事者(衛生的習慣、健康管理、衛生教育)

 

食品工場のゾーニング

一般に食品工場は大きく大別すると、「汚染区域」と「非汚染区域」に区分けされ、区域ごとに出入りを制限します。
実際には下図のようにそれぞれ区域を色分けして区別する事が一般的になっています。
さらに、学校給食の場合は、自校方法、センター方式に関わらず、上記条件に追加してドライシステムの導入を「学校給食衛生管理の基準※」として文部科学省が強く指導しています。

それぞれのゾーニング区域により管理手段も異なりますので、当然、床材に求められる要求性能も異なります。
この要求性能に満たない床材を使用した場合、以下の写真のような不具合が発生することがあります。

 

不具合の実例

<磁器タイルの場合>
・目地に水、油、ゴミなどによる汚れが付着しやすい。
・滑りやすく作業上、危険である。
・衝撃に対して弱いので、割れ、欠け、剥がれが起きやすい。
・キャスターの走行音や、振動による身体疲労の蓄積。

<素土間コンクリートの場合>
・水、油、ゴミなどによる汚れが付着しやすい。
・熱に弱く、劣化しやすい。
・コンクリートの風化による粉塵が多くなる。

 

ドライシステムとウエットシステム

次にHACCP管理に適した施設の床材について考えてみたいと思います。

<ウエットシステム>
従来から一般に行なわれてきた洗浄方法で、常に床が濡れている状況にあります。
作業過程で使用する水や湯を直接床に流し、床の勾配によって排水溝に集め排水するシステムです。

*ポイント・雑菌が繁殖しやすい。 ・水により滑りやすく危険。

<ドライシステム>
基本的に床に水を流さないシステムです。水や湯を機器から床下の配水管へ直接流し、排水するので床が濡れにくい事がウエットシステムとの最大の違いです。
高温多湿になりがちな環境に対し、衛生管理で配慮しています。
床が濡れた場合はすぐに拭き取り、常に床を乾燥させた状態にしておきます。

*ポイント・雑菌の繁殖が少ない。 ・水を使用しない為、床勾配を小さく、あるいは無くす事ができる。・滑る危険性が少なくなる。

<セミドライシステム>
ウエットシステムとドライシステムの中間的なシステムです。限られた範囲ではありますが、作業するコーナーによってドライシステムの中にウエットシステムが組み込まれた形で運用しています。

食品工場や厨房の場合、一般の工場床とは異なり、油やゴミによる汚れが必ず排出されるため、全区域をドライに保って作業するのは非常に困難です。

さらに、作業終了後は必ず水洗いを行なっているケースが多く、ドライシステムの床といっても、ウエット使用にも耐える床仕上げ材を用いる事が肝心です。
濡れたらすぐ拭き取り、使用上極力ドライに使用するよう心掛ける事がそのままHACCP管理方法となります。

 

HACCPで要求される機能と推奨床材

最近はHACCPの考え方に基づきドライシステムやセミドライシステムを採用する工場が増えており、下記の要求事項を満たす建材を、お奨め建材としてご紹介いたします。

安全上の条件 滑りにくい床
歩行感が良く疲れにくい床
衛生上の条件 凹凸がなく清掃しやすい床
消毒薬品に強い床・壁
汚れに強い壁
耐久性の条件 摩耗しにくい床
剥離しにくい床
酸・アルカリに強い床・壁
水、油、湯に強い床・壁
補修が可能

 

「汚染区域」および「非汚染区域」の特に熱がかからない床には以下の3商品がお奨めです。

使用部位 特に熱がかからない床には
一般名称 エポキシ樹脂系
無溶剤形塗床材
無機質系
硬質塗床材
特殊防滑
ビニル系シート
お奨め商品はコレ! ケミクリートEペースト防滑工法 フェロコンハードS同時塗付工法 アルトロセーフティーフロア X25、D25
素材構成
耐熱温度 40℃ 100℃ 60℃
厚さ 3mm 5mm 2.5mm
耐薬品
(厨房洗浄剤)性
アルカリ性・酸性 OK アルカリ性 OK アルカリ性・酸性 OK
擦り減り強さ
清掃の簡単さ
表面 凹凸有り 凹凸 ・フラット フラット
理由 樹脂で床を覆うから… コンクリートと一体化だから… 骨材配合シートだから…
特徴(1) 極めて埃が出にくい 極めて剥離しにくい 濡れても滑りにくい
特徴(2) 継ぎ目がない 極めて衝撃に強い モップで簡単に清掃できる
特徴(3) 吸水しにくい 不燃材 歩行感が良い
他社同等品との比較 無機系床材は50年、合成樹脂床は45年の豊富なノウハウがあり、ラーメン店から大規模食品工場まで数多くの現場での採用実績がある。 塩ビ層全てに骨材を練りこんである為、耐久性が極めて高い。他社同等品は、表面のみに骨材を配合している為、表面層が削れると極端に耐久性が落ち、滑る。
選択ポイントはここ! 施工がしやすく、改修向き。薬品に強い。 剥離・衝撃に強いから、非常に長く使える。 清掃しやすく、濡れても滑りにくく仕事がしやすい。従事者のための床材。
ウイークポイント クラック追従性が弱い 酸に弱い 価格が高い
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特に耐熱性が求められる床および壁には以下の3商品がお奨めです。

使用部位 フライヤー・回転釜 床廻りには 壁・天井面には
一般名称 ウレタン樹脂系水系
塗床材
無機質系
硬質塗床材
クリーンルーム用
防塵クロス
お奨め商品はコレ! タフクリートMH フェロコンハードM クリーンテックSS
素材構成
耐熱温度 100〜120℃
(120℃は
9mmタイプ)
150℃(熱油) 100℃以上
厚さ 6mm・9mm 10mm 約280ミクロン±20
耐薬品 薬品・スチーム洗浄CIP OK アルカリ OK 薬品・スチーム洗浄 OK
(厨房洗浄剤)性
擦り減り強さ
清掃の簡単さ
表面 凹凸 凹凸 ・フラット フラット
理由 厚い特殊樹脂で床を覆うから… 耐熱に対して最も優れているから… 高性能フッ素樹脂フィルム使用だから…
特徴(1) 熱水・冷水の繰り返し衝撃に極めて強い 300℃の輻射熱でもOK 汚れがつきにくく、落としやすい
特徴(2) 継ぎ目がない 速硬化タイプで改修にも最適 水洗いから、薬品に強い
スチーム洗浄まで可能
特徴(3) 難燃タイプ 不燃タイプ 不燃認定および
準不燃認定 取得
他社同等品との比較 無機系床材は50年、合成樹脂床は45年の 豊富なノウハウがあり、ラーメン店から大規模食品工場まで数多くの現場での採用実績がある。 表面にフッ素フィルムを使用している為、耐薬品性が極めて高い。またクリーンテックの継ぎ目は ジョイントテープを使用するので気密性が高い。
選択ポイントはここ! 頻繁に、温水・冷水がかかる場所に最適。 耐熱性能に特にすぐれ、150℃を超える熱油にも耐える 化粧珪カル板のように目地がなく、ペンキのようにパラパラ剥がれない。
ウイークポイント 下地処理に時間かかる 酸に弱い 価格が高い
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※上記の性能値は試験室データに基づくもので保証値ではありません。

特におすすめできる建材を挙げましたが、
・冷凍・冷蔵庫専用床材
・低臭性床材
・速硬化床材
・床改修工法
などの専用建材も多数ご用意しておりますので、お問い合わせください。

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2004.5.1掲載

■掲載されている情報は発表当時のものであり、最新のものと価格、品番、販売終了など情報が異なる可能性があります。ご了承ください。

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