法人概要について

1991年から介護事業を開始し、同年に定員60名(50名・ショート10名)の特別養護老人ホーム「春圃苑」を開設しました。その後は通所介護や訪問介護などの地域のニーズに合わせた介護サービスを展開しています。

東日本大震災のときは災害支援を行った

海抜25メートルに施設がある

海抜25メートルのところに当施設があり、20.99メートルの高さまで津波は来ましたが直接の被害はありませんでした。そのため地域の要援護者の受け入れを行いました。気仙沼市から福祉避難所の指定を受けたのもあり、廊下や食堂にもベッドを並べ、職員を確保するためにデイを休止し最大124名が暮らしていました。またボランティアの受け入れも積極的に行い、全国約260施設2800名ほどの介護施設のスタッフを受け入れました。

運営を継続するために心掛けていたことは

当法人の方針として、非常事態において円滑に対処・対応を行うためには日ごろの様々な経験が不可欠だと考えています。そのため法人全体で分野を問わずチャレンジすることを推奨しています。その結果、職員の対応や工夫により全てのライフラインが止まった中でも大きな混乱や事故が発生することなく、福祉避難所の運営を行うことができたと思います。また被災地への職員派遣も2004年の新潟県中越地震のときから行っており、16年の熊本地震では8名、24年の能登半島地震では2名を派遣しています。

床・壁・天井修繕 稼働止めずに対応

直近で取り組んだことについて

宮城県の補助金を活用した大規模修繕を23年に行いました。修繕箇所は床材の張り替えや外壁修繕塗装、壁紙の張り替え、天井塗装、照明のLED化、給湯及び暖房熱源の変更などです。今回の修繕で床材にはエービーシー商会(東京都千代田区)が販売する置敷き型長尺塩ビシート床材「リコンテ」を採用しています。

リフォーム前
リフォーム後で雰囲気が大きく変化

採用した経緯は床材を探していた際に本製品について知り、実際に施工して1年経った都内の介護老人保健施設を見学した上で判断しました。

どのような点を考慮したのか

どのように使われているかという施工後の現況や踏んだ時の感覚、スタッフに使ってみた率直な意見などを聞き、その上でほかの製品と比較して一番使いやすいと判断して導入を決めました。

自施設で使用して感じたことは滑りにくさと柔らかさが丁度よくあるため、すり足歩行の高齢者にとっても歩きやすく、柔らかさが転倒による重症化を防ぐことにつながると感じました。また色も木目6色、ソリッド4色から選べるので廊下や居室、多目的室などの場所ごとに異なる色を採用しています。以前はフローリングだったのを変えたことで床全体が明るくなり、特に居室内の雰囲気が変わったと感じます。

そのほかの利点は

リコンテは既存床の上から貼れるため人が居ながら改修できることや稼働を止めないで張り替えできる点、床を改修しながら天井や壁の修繕もできる点などが現場から好評でした。

今後の展望は

気仙沼市内は生産年齢人口が著しく減少する傾向のため、スタッフがより集まりにくくなると感じています。最新製品の導入やICTの活用などを通して地域に貢献した施設づくりをしていきたいです。