施工事例

既存コンクリートスラブを磨き上げ過去と現在の調和する建築に

35年前の当社設計のビルを全面改修し、事務所の本社機能を移転した。“連帯の中の個性”という創業の理念をオフィス全体で体現するよう、これまで閉鎖的だった低層部をまちに開き、吹抜階段を新設して3フロアをつないだ。緩やかなワンルームの中で社員一人ひとりがいきいきと働き、吹抜階段を中心としたスペースが社内や地域との協働を促す環境をつくった。また、既存躯体や一部の仕上材を丁寧に残し、過去と現在の時間が調和する、多様性のある建築を目指した。既存のコンクリートスラブは素材の表情を残して「リノステイン」で黒く染色し、自然光を柔らかく反射するまで磨いた。会議室の床仕上げには「ケミステイン」を用い、既存コンクリートとの化学反応によりランダムなテクスチャを表出させ、床仕上げの違いで空間を緩やかに分節し、利用しやすい場づくりを行なった。（大旗祐様）

大旗連合建築設計株式会社
池田貴久様、大旗祐様、藤井理央様、岡崎簾様

『エービーシー商会 建材総合カタログ 2022-2023』 TOPICS 掲載