アームストロングインレイド・ビニルシート

インレイドの"inlay"は嵌め込み細工や象眼と言う意味です。
当時アームストロング社で新開発された床材が、まるで象眼細工を施されたような表情を持っていたことから、ネーミングされました。今回は物理的強度にすぐれた、インレイド塩ビシート「アームストロング長尺床材」の導入の歴史とすぐれた性能をご紹介します。

アームストロング長尺シートの歴史

アームストロング本社
アームストロング本社

米国アームストロング社は現在、商用・住宅の床材をはじめ、天井材、キッチンキャビネットを扱う16,000人の従業員を抱える大企業ですが、非常に長い歴史を持つ会社でもあります。

米国アームストロング社は、約150年前の1860年に創業者トマス・アームストロングによって創立されました。創業当時は、2人でコルク切断をする店でしたが、その後、会社組織となり、南北戦争、世界恐慌などを切り抜け、1890年代には世界最大のコルク会社になりました。
その後はコルクの使用用途を発展させ、コルク板やコルクタイルを世に送り出しました。

次に、コルクを原料に含む、リノリウム床材(原料はコルク、ジュードと亜麻仁油、松ヤニ、木粉から作られる)に着目、そして1909年にはアームストロング・リノリウムの輸出をはじめました。
そのリノリウムが今日のアームストロング・インレイドビニルシートへと受け継がれているのです。

余談ですが、あの1912年に悲運の最期を遂げたタイタニック号に、アームストロング・リノリウムが何百本も積まれていたそうです。

そして、ABC商会が扱っているアームストロングインレイドビニルシートは居住・商用床において世界各国で数多くの実績を誇っているのです。

アメリカの靴文化が生んだ耐久床材

1965年の新建築出稿広告
1965年の新建築出稿広告
1969年の新建築出稿広告
1969年の新建築出稿広告

1961年。エービーシー商会が初めてアームストロングインレイドビニルシートを日本に紹介しました。
アメリカではケネディが第三五代大統領に就任した年であり、日本では、横浜のマリンタワーが完成し、坂本九の「上を向いて歩こう」や石原裕次郎の「銀座の恋の物語」が流行していた年でした。

戦後経済の高度成長期を迎えた1960年代の日本は、東京オリンピックが開催され、それに合わせるように首都高速や代々木競技場が建設された時代、近代建築のビルやマンションがつぎつぎに建設されていた時代です。
(物価は、コーヒー1杯60円、映画が150円、当時の国家公務員の初任給が10,000円程度。)

この頃の国産プラスチック系床材といえば、単色プラスチック系タイル(Pタイル)やアスファルトタイルが全盛でした。
そこに、高い耐久性と斬新なファッション性をもったインレイドビニルシートが日本市場に登場したのです。
当時のモンチナコーロンの値段は¥6,800/m²でしたが、池袋の西武百貨店に採用されたのを皮切りに、全国の商業施設の床材に次々に採用されていきました。70年代の全盛期には、先進的商業施設の床といえば「アームストロング」といわれる程になりました。

アームストロングインレイドビニルシートは、人々があこがれる耐久性とファッション性を持った床材であり、日本全体の建材の進化に貢献したのです。

その耐久性は、アメリカ文化ならではの「室内、屋外問わずどこでも靴で生活する」スタイルが生んだインレイド構造にありました。

インレイド構造とは

天然石やセラミックタイルと比較して廉価で仕上げができるのがビニル床材の利点です。
ビニル床材は耐久性があり、掃除も簡単ですが構造によってグレードがあります。

■ラミネート 耐久性 : 弱
JIS区分(JISA5705)では、ホモジニアス(ビニル樹脂などのバインダー含有量30%以上)を指します。
天然石調などのプリントの上に0.2~0.3mmの透明ビニル保護層を持ったビニル床材の事を指します。
見た目は美しいのですが、耐久性に難点があります。
清掃時にも、ポリッシャーによる清掃は表面を削ってしまう為適しません。
必ず、ウエットメンテナンスをする必要があります。

■半硬質 耐久性 : 中
JIS区分では、コンポジション(ビニル樹脂などのバインダーの含有量30%未満)を指します。
よくPタイルと言われている単色の半硬質ビニル床材の事を指します。

■インレイド 耐久性 : 強
JIS区分では、コンポジション(ビニル樹脂などのバインダーの含有量30%未満)を指します。
インレイド床材がいつまでも美しさを保つ秘密は、スルーカラー・パターン構造(金太郎飴のような構造)にあります。

<アームストロング・インレイド・ビニルシートはすぐれた性能をもったシート床材です>

アームストロング・インレイド・ビニルシートは、表面の色・柄が裏打材まで通っており、耐摩耗層の適度な硬さと厚さによって擦り減りに強く、厳しい条件下でも抜群の耐摩耗性を発揮します。
またアームストロング・インレイド・ビニルシートの耐摩耗層は水・油・薬品に強く、さらに、寸法安定性の高さにより目地や壁際などにチリやゴミがたまらず、清潔で衛生的です。

清掃時には、表面が多少削られても、インレイド構造により模様が消えて無くなることはない為、ポリッシャーによるドライメンテナンスにも対応できます。

耐久性の実証

ここで、アームストロングインレイドビニルシートの耐久性の高さを実証する何十年と使用されている2つの事例を紹介します。

■30年間踏まれつづけても、美しさを失わない床材です。

1969年
1969年
1999年
1999年

1969年から30年以上を経た現在も美しさを失わず、当時と変わらない輝きで人々を迎えている、美術館の床。30年間に、何万人の人がこの上を歩いていました。
踏まれつづけても、擦り減りが少なく、美しさを保てるのは、表面の色柄が裏打材まで通っている、インレイド構造のアームストロング床材だからこそです。
長い歴史の中でノウハウを積み重ね、技術を確立してきたアームストロング製品の実力の証明です。

■1975年以来、毎日通勤の足として利用されています。

1975年
1975年
2000年
2000年

阪急電鉄京都線特急電車6300系の床には、今でもインレイド構造シート床材「アームストロング」が使われています。
擦り減りに対する強さと、すぐれた耐久性・寸法安定性・耐薬品性・防炎性などの抜群の総合力は、通勤電車のような過酷な条件下でも25年以上耐えられるロングライフ性を実証しました。
その間、貼り替えによる廃材を出すことなく、エコバランスの上でも貢献しています。

室内空気環境に配慮しています

原材料にホルムアルデヒドをはじめとする揮発性有機化合物を含んでおりません。
アームストロング床材の安全性は、分析試験により確認されています。ホルムアルデヒドをはじめとするさまざまな化学物質の総発生量(TVOC)を定性分析しており、厚生労働省が定めたTVOCの暫定目標値0.32ppmを遙かに下回る数値を示しています。
施工時に使用する接着剤も、F☆☆☆☆のものを推奨しています。

このような場所に最適です

人が多く活動する施設の床に、石やセラミックタイルを使用した場合、雨等の天候の際には、すべり抵抗値が下がり、人が転倒しやすく危険です。また、それらの床は、目地に雑菌が繁殖する可能性もあり、衛生的にすぐれているとはいえません。

病院・学校・特別養護施設などの床使用が激しい用途にアームストロング床材をお奨めします。
全国の施設に現在も数多く採用されている実績が証明します。

アームストロングインレイド・ビニルシートのラインアップは、長尺シート・タイル一覧ページをご覧ください。

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